「新NISA、周りはみんなやっているけど、50代の自分が今から始めても意味あるのかな」
そう思って検索したあなたに、まず結論からお伝えします。50代から始めても、遅くはありません。
ただし、20代・30代の人と同じやり方をそのまま真似すると、しんどい思いをします。50代には50代の戦い方があります。
申し遅れました。私は2021年、44歳のときに楽天証券で積立てNISA(今でいう「旧NISA」)を始めました。今年で49歳、運用を始めて5年が経ちます。
50代を目の前にして、そろそろ「増やす話」だけでなく「どう使っていくか」を考え始めた——ちょうどそんな時期にいます。
つまり私は、「これから始めるあなた」より、ほんの少しだけ先を歩いている人間です。5年やってみて分かったこと、正直に言えば大きな失敗もしました。その失敗は、たぶん今この記事を読んでいるあなたも、同じようにやってしまう可能性のあるものです。
この記事では、次の3つが分かります。
- 50代が新NISAを始めるとき、20代と何を変えるべきか
- すでに旧NISAを持っている人が、絶対にやってはいけないこと(私はこれで失敗しました)
- 始め方だけでなく、いつ・どうやって取り崩すかという出口の考え方
結論:50代の新NISAは「遅くない」。ただし20代とは戦い方が違う
まず、なぜ「遅くない」と言い切れるのか。理由は3つあります。
運用できる期間は、思っているより20年以上残っている
「50代からじゃ、あと10年ちょっとしかない」と考えていませんか。これは、60歳や65歳ですべてを売り払う前提で考えているからです。
でも実際には、65歳で退職しても、そこで全額を現金化する必要はありません。使う分だけ少しずつ売って、残りは運用を続けられます。日本人の平均寿命を考えれば、55歳の人でも85歳まで30年あります。運用期間は「退職までの年数」ではなく、「お金を使い終えるまでの年数」で考えるほうが実態に近いのです。
しかも新NISAは、旧NISAと違って非課税で持ち続けられる期間に期限がありません。急いで売る理由が無くなった、というのは50代にとって大きな意味を持ちます。
運用開始年代別に運用可能期間の比較をした図を作成しました。
横軸に年齢、25歳/45歳/55歳の3本を並べ、「退職まで」ではなく100歳まで運用しながら資産の4%を毎年取り崩した場合の資産推移です
運用が無期限に続けられる事から、運用しながら取り崩しが出来て、4%の定率で取り崩していけば、100歳までお金が枯渇することなく運用できる可能性が高いです(あくまで年利4%が続いた場合の試算です)。

50代は、人生で最後の「貯めどき」
50代は、多くの人にとって収入が生涯で最も高くなる時期です。同時に、子どもの教育費のピークを過ぎ、支出が落ち着き始める家庭も増えます。
20代は時間はあるけれど、投資に回せるお金が少ない。50代は時間は短いけれど、1年あたりに投じられる金額が大きい。この違いは、想像以上に効きます。
月1万円を30年続けるより、月5万円を15年続けるほうが、元本だけで見れば大きいのです。
ただし、20代との決定的な違いが1つある
ここが一番大事なところです。50代は「取り返す時間」が短い。
相場が3割下がったとき、25歳なら「まあ、あと35年あるし」と言っていられます。でも55歳で3割下がると、話が違ってきます。回復するまでに5年、7年かかることもある。そのあいだに退職が来てしまうかもしれない。
だから50代の戦い方は、「どれだけ増やすか」より「大きく減らさずに、続けられるか」に軸足を置くことになります。この記事全体を貫く考え方なので、頭の片隅に置いておいてください。
〔体験談〕2021年から5年運用してみた実感
参考までに私の運用の体験談を話させて頂きます。
2021年の時に、その当時最も支持が強かったSP500とオールカントリーを積み立て投資しました(オールカントリーがメイン)。旧NISAの積立投資枠は年間40万円だったので、3.3万円/月を積立て投資を始めました。
2020年のコロナショックから米国の金融緩和により株価が上り調子になっている段階で運用を始めたので、私の場合は利益を上げることが出来ました。
しかし2022年には、米国が急激な利上げを行ったため、年間で20%近くの下落に見舞われ、困惑させられました。
ゴリラの握力でガチホしましたが。
2024年から新NISAへ移行し、積立て投資枠で10万円/月ずつオールカントリーに投資を続けていて、現在に至っています。
その間、2025年のトランプショックなどの急落、暴落局面はありましたが、2026年現在、着実に含み益は増えてきています。
2016年から現在まで家計簿を付け続けており、運用を本格的に始めた2021年から月一で収支と共に運用資産額もチェックしています。減っている時もあってガッカリすることもありますが、着実に増えているので、記録を付けるのがちょっとした楽しみになって習慣化していきました。
新NISAの基本を3分で(初心者向け)
すでにご存じの方は読み飛ばしてください。最低限、これだけ分かれば始められます。
2つの投資枠がある
新NISAには「積立て投資枠」と「成長投資枠」の2つがあり、両方を同時に使えます。
| 積立て投資枠 | 成長投資枠 | |
|---|---|---|
| 年間に投資できる額 | 120万円 | 240万円 |
| 買えるもの | 金融庁が長期投資向きと認めた投資信託など | 上場株式・投資信託など(一部除外あり) |
| 向いている人 | 初心者・コツコツ積み立てたい人 | 個別株もやりたい人・まとまった資金がある人 |
2つを合わせると、年間360万円まで投資できます。
非課税で持てる上限は1,800万円
一生涯で非課税のまま保有できる金額の上限は1,800万円です(このうち成長投資枠として使えるのは最大1,200万円まで)。
「1,800万円なんて無理」と思ったかもしれませんが、これは上限であって目標ではありません。月3万円でも、月1万円でも、まったく問題ありません。
いつでも売れる。売った枠は翌年戻ってくる
50代の方に特に知っておいてほしいのがこれです。新NISAで買ったものはいつでも売却できます。しかも売却した分の枠(買ったときの金額分)は、翌年以降にまた使えるようになります。
「一度入れたら引き出せないのでは」と心配して踏み出せない方がいますが、そんなことはありません。急にお金が必要になれば売れます。
この点はiDeCoとの大きな違いです。
iDeCoは掛金が全額所得控除になる強い節税メリットがある一方、原則60歳まで引き出せません。しかも50代から始めた場合、加入期間が10年に満たないため、受け取り開始が61〜65歳に繰り下がります(期間が短いほど遅くなります)。
非課税で持てる期間に、期限はない
旧NISAには「積立てNISAは20年」「一般NISAは5年」という非課税期間がありましたが、新NISAではこれが無期限になりました。
この変更が、次の章の話につながります。私が大きな失敗をしたのは、まさにここの理解が足りなかったからです。
【失敗談】私は勘違いして、旧NISAを全部売ってしまいました
この章が、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
すでに「積立てNISA」や「一般NISA」の口座を持っている50代の方は多いと思います。もしあなたがそうなら、この先を読んでから何か行動してください。私と同じ失敗をしてほしくないのです。
私がやってしまったこと
2024年1月から新NISAが始まる、というニュースを見たとき、私はこう理解しました。
「旧NISAは終わるんだな。ということは、今持っている資産の非課税期間も終わって、課税口座に移されてしまう。移される前に売っておかないと、非課税で運用されていた資産に課税されるんじゃないか」
そう思い込んだ私は、2021年から積み立ててきた旧積立てNISAの資産を、全部売却してしまいました。
売却が完了した時は『旧NISAが終わるまでに売却できて、よかったあ。。』と思っていました。
結論から言うと、これは完全な勘違いでした。売る必要は、まったくありませんでした。
正しくは、こうでした
金融庁の説明によれば、2023年末までに旧NISA(積立てNISA)で買った商品は、2024年1月以降も新NISAとは別の「外枠」で管理され、旧制度の非課税措置がそのまま続きます。
つまり、こういうことです。
- 旧NISA(積立てNISA)の資産は、新NISAが始まってもすぐに課税口座へ移されたりしない
- 積立てNISAで買ったものは、買った年から20年間、非課税のまま持ち続けられる
- 私が2021年に買った分は、2040年末まで非課税だった
- 非課税期間が終わるのはその後。終了の翌年1月1日に、自動的に課税口座へ移される
2021年の投資分は、2040年末まで、あと17年近く非課税で置いておけたのです。それを私は、2024年の時点で自分から手放しました。
この事実に気づいたのは、YouTubeの『両学長』の動画を見て『積立てNISAは20年は非課税で置いて置ける』というお話を聞いた時でした。ショックでしたね。。。
この失敗から学んだこと
お伝えしたいのは「損した金額」の話ではありません。もっと大事なのは、制度が変わるというニュースを聞いたときの、あの焦りのほうです。
「何かしないといけない気がする」——この感覚が、いちばん危ない。実際には、旧NISAを持っている人が新NISA開始時にやるべきことは、基本的に「何もしない」でした。放っておけばよかったのです。
もし今、あなたが旧NISAの資産を持っていて、どうしようか迷っているなら。まず売らずに、証券会社の公式ページで自分の非課税期間がいつまでかを確認してください。楽天証券でもSBI証券でも、口座にログインすれば保有商品ごとの非課税期間の終了年が確認できます。
調べるのに5分もかかりません。私はその5分を惜しんで、17年分の非課税期間を捨てました。
新NISAと旧NISA、両方持っているとどうなるか
旧NISA(積立てNISA)の資産を売らずに持っている場合、新NISAとは完全に別枠で並存します。旧NISAの残高が、新NISAの1,800万円の枠を圧迫することはありません。
どちらから使っていくかについては、この記事の後半「いつ、どう取り崩すか」の章で触れます。
もし、
- 2021年から積立てNISAで『運用利回り4%』の投資信託を3万円/月で2023年末まで積み立てて、その後2040年まで運用
- 追加で2024年から新NISAで同様の利回り4%投資信託を10万円/月で2038年まで(1800万円の枠をうめるまで)積み立てて運用
を実践したとしたら、以下の様になります

もし、あなたが積立てNISA(旧NISA)の枠を運用しているなら、非課税期間終了まで絶対に売らないでくださいね。私の様に。
非課税期間終了のころには、きっと含み益が膨らんでいる事でしょう。
50代は毎月いくら積み立てればいい?
次によく聞かれるのが月にいくら積み立てればいいのかという話です。
結論は「無理のない額」なのですが、それでは何も言っていないのと同じなので、順を追って考えます。
その前に。生活防衛資金を先に確保する
投資を始める前に、生活費の6か月分〜1年分は、投資に回さない現金として手元に置いてください。50代は、20代より「予期せぬ出費」の種類が多い年代です。
- 親の介護・入院が急に始まる
- 自分や配偶者の病気
- 子どもの進学費用の最後の山
- 住宅の修繕、車の買い替え
これらが重なったときに、値下がりしている資産を泣く泣く売る——これが最悪のパターンです。現金があれば、相場が悪いときに売らずに済みます。生活防衛資金は、投資を続けるための装備です。
月いくらで、65歳にいくらになるか
目安として、年利4%で運用できた場合の試算を載せます。あくまで一例で、この通りになる保証はありません。
| 毎月の積立額 | 10年後(元本/評価額) | 15年後(元本/評価額) |
|---|---|---|
| 3万円 | 360万円 / 約442万円 | 540万円 / 約739万円 |
| 5万円 | 600万円 / 約736万円 | 900万円 / 約1,232万円 |
| 10万円 | 1,200万円 / 約1,472万円 | 1,800万円 / 約2,464万円 |
※【注意】年利4%で毎月末に積立、複利運用した場合の概算。税金・手数料は考慮していません。実際の運用成果を保証するものではありません。
55歳から月5万円を10年続ければ、65歳時点で700万円台。これを「少ない」と見るか「あるとないとでは全然違う」と見るか。私は後者だと思っています。
【体験談】自分は月いくらから始めたか
私は、2021年から月3.3万円/月の積立て額で始めました。旧NISAの積立て投資枠が年間上限40万であり、12か月で割ると約3.3万円/月程度になります。
私の場合は子供がおらず、余剰資金に比較的余裕があったので、年間上限のギリギリで投資しました。
2024年1月からは、新NISA体制にシフトしたので、10万円/月に積立額を変更して、運用を継続しています。
『いきなり最初に3万円ちょいの積立ては多いかな。。』
と一瞬思いましたが、含み益が増えていくのを十分に実感できたし、逆に暴落の時も資産額がそれなりにあったので、
『暴落とはこういう感じか。。』
というショックも体験できました(イヤな汗は出ましたが。。。)。
介護費・教育費と、どう優先順位をつけるか
50代の資金計画がややこしいのは、上の世代(親の介護)、下の世代(子の教育費)、そして自分の老後という3方向から同時に引っ張られるからです。
すべてに満額を用意することはできません。優先順位はこう考えると整理しやすくなります。
- 生活防衛資金(現金・最優先)
- 3年以内に使うことが決まっているお金(教育費など・現金で確保)
- 新NISAの積立て投資枠(10年以上使わないお金)
- 成長投資枠(さらに余力があれば)
ポイントは、使う時期が決まっているお金は投資に回さないということ。
2年後に必要な学費を投資に入れて、そのとき相場が下がっていたら詰みます。
3年以内に使うのが決まっているお金を確保出来たら、それ以外の余剰資金を運用に回しましょう
資金の優先順位フロー図
資金計画のイメージ図は、こんな感じになります。


何を買えばいい?50代向けポートフォリオの考え方
商品選びで迷って、そのまま何年も始められない人がいます。もったいないので、シンプルに考えましょう。
迷ったら、積立て投資枠でインデックス型1本でいい
積立て投資枠で買える商品は、金融庁が長期の積立に適していると認めたものに絞られています。極端に手数料が高いものや、仕組みが複雑すぎるものは、そもそも並んでいませんので、安心して積立て投資枠から選んでください。
その中から、全世界株式や米国株式に広く分散するインデックス型の投資信託を1本選ぶ。これが、いちばん失敗しにくい入り口です。最初から複数を組み合わせる必要はありません。
〔体験談〕自分が選んだ商品と決め手
私が選んだ投資商品は、SP500とオールカントリーのみでした。YouTubeで両学長推薦だった。残りは現金にしてました。
資産運用を始めて5年以上たちますが、定期的に積み立てを続けています。
追加で米国総合債券ETFという物を一括で購入しました。値動きが少ない債券であれば、先進国債券のようなものが候補になります。
当初からの投資商品の選び方は、結果的に良かったと考えています。
債券といえど、為替の影響はあるので、その点は怖いですが、安定性あるので、選んでよかったと考えています。
オールカントリーは、時により値動きは激しいですが、年単位では右肩で上昇してくれているので、選んでよかったと思います。
リスク許容度別・3つの型
とはいえ50代は、20代と同じ「株式100%」でいいのかという問題があります。目安として3パターンを示します。
| 型 | おおまかな配分 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 積極型 | 株式 80〜100% | 退職後も長く運用を続けられる人/値下がりしても動じない自信がある |
| バランス型 | 株式 50〜60% / 債券など 40〜50% | 多くの50代はここが出発点。値動きを抑えつつ増やしたい |
| 安定型 | 株式 30% / 債券など 70% | 運用を長く続けられない可能性がある/下落が本当に怖い |
どれが正解ということはありません。判断の基準はシンプルで、
「その配分で、資産額が3割下がっても売らずにいられるか」
です。売ってしまいそうなら、リスクを取りすぎていますので、リスクのバランスを調整しましょう。
選ぶ債券としては、低コストでかつ信頼の厚い先進国国債に広く分散されている『eMAXIS Slim 先進国債券インデックス』の様なものが候補になります(最終的にどれを選ぶかはご自身で判断ください)。
ポートフォリオ円グラフ3種(自作)
積極型/バランス型/安定型のポートフォリオを円グラフにしました。

年齢やメンタルの状況を見ながら、自分にとって心地よい配分に調整してください。
成長投資枠は「余力があれば」でいい
個別株やETFなど多様な商品を買える成長投資枠。魅力的に見えますが、初心者が最初に手を出す場所ではありません。
まず積立て投資枠で1〜2年続けて、資産の値動きに慣れる。
自分がどのくらいの下落まで平気なのかが分かってから、余剰資金の範囲で使えば十分です。
ちなみに、成長投資枠でも『オールカントリー』は積立てられますので、積立て投資枠を使い切ってさらに余剰資金があるようでしたら、オールカントリーへ追加投資するのも手です。
暴落したらどうする?50代がいちばん不安なこと
ここまで読んで、こう思っている方がいるはずです。
「で、下がったらどうするの」と。
私もそれが一番怖かったですし、実際にその場面を経験しました。
50代にとって暴落が怖い、本当の理由
下落が怖い理由は「お金が減るから」だけではありません。50代特有の怖さがあります。
- 回復を待つ時間が短い。
過去の大きな下落では、元の水準に戻るまで数年かかったことがあります。20代なら待てますが、50代後半で暴落に見舞われると、回復途中で退職が来る可能性がある - 収入で埋め合わせる時間も短い。
20代なら「働いて取り返す」が現実的ですが、50代は残りの勤務年数が限られる - 周りに相談しづらい。
この年代だと「今さら投資で失敗した」と言いにくく、一人で抱え込みやすい
暴落時にやってはいけない2つのこと
1つ目は、慌てて売ること。資産額が下がった状態で売ると、そこで損失が確定します。回復の波に乗る権利も同時に手放すことになります。
2つ目は、積立てを止めること。直感に反しますが、価格が下がっている時期の積立ては、同じ金額でより多くの口数を買えている状態。つまりバーゲン価格なのです。ここで止めると、いちばん安く買えるはずだった時期を逃します。
もっとも、「理屈は分かるが気持ちがついていかない」人もいるでしょう。
それでも不安なら、配分を下げるという選択
「売る」か「耐える」かの二択で考えると苦しくなります。3つ目の道があります。全部売るのではなく、株式の比率を下げて、値動きの小さい資産の債券や現金の比率を上げる。
これなら市場から完全に降りずに、夜眠れる水準まで不安を下げられます。ただし、下がりきった局面でこれをやると損失を固定することになるので、本来は下落が来る前に、平時のうちに心地よい配分を決めておくのが正解です。
〔体験談〕2022年の下落を経験したときの話
突然ですが、私の持っている資産が暴落した2022年の時のお話をします。
米国が低金利状態から急激なピッチで利上げを実施したため、急激に株価が落ちました。
正直、資産をある程度積み上げてからの暴落を体験したのは初めてだったので、大変ショックを受けました。
日に日に資産が目減りしていく感覚に冷や汗が出ました。
しかし、オンラインサロン『リベシティ』で色んな方々の意見を聞ける場があったので、安心することが出来て積立をやめるなどの行動は取らずに済みました。
今振り返って、動揺せずに銘柄をホールドし続けられたのは良い行動だったと思いました
いつ、どう取り崩す?出口戦略の考え方
ここからが、多くの記事が触れていない話です。「積み立てましょう」で終わる記事は山ほどありますが、50代がいちばん知りたいのは、その先ではないでしょうか。
毎年いくら売るのが目安か
よく使われる考え方に、「1年に資産の4%程度ずつ取り崩す」という目安があります。1,000万円あれば年40万円、月にすると3万円強。これなら資産をすぐには使い切らずに済む、という発想です。
ただしこれは海外の研究をもとにした目安で、日本の年金制度や物価の状況にそのまま当てはまるとは限りません。「ざっくりこのくらいのペース」という感覚をつかむための数字として使ってください。
どの口座から先に使うか
複数の口座を持っている場合、取り崩す順番で手取りが変わります。一般的な考え方は次のとおりです。
- 課税口座(売却益に約20%の税金がかかる。ここから先に減らす考え方がある)
- 旧NISA(非課税期間の終了が決まっているので、それまでに使い方を決める)
- 新NISA(非課税期間が無期限なので、最後まで置いておける)
これはあくまで一般的な整理で、その人の収入・年金・健康保険料の状況によって最適な順番は変わります。金額が大きい場合は、税理士やファイナンシャルプランナーに相談する価値があります。
全部売らずに「使いながら運用を続ける」
65歳になった瞬間にすべて現金化する必要はありません。使う分だけ売って、残りは運用を続ける。新NISAの非課税期間が無期限になったことで、この選択がしやすくなりました。
むしろ、退職後こそ長い時間があります。85歳まで生きるとすれば、65歳時点でもまだ20年。運用を完全にやめてしまうほうが、かえってもったいないという見方もできます。
〔体験談〕49歳の今、出口について考えていること
私の話になりますが、60歳まで約10年に迫ってきていて、積立の成績に関わらず、そろそろ運用資産に頼る時がやってくるのか。。。と思ったら、出口のことも意識し始めないといけないかなと思うようになりました。
⇒積立てで運用しているオルカンは、このまま退職まで運用して、老後に取り崩す戦略は確定しています。
しかし運用している債券や現金の比率については、割合を徐々に増やしていくか、このままでいくのか迷っています
50代がつまずきやすいポイント
退職金を、まとめて入れるべきか
50代後半で必ず直面する問題です。数百万円から数千万円という金額を、一度に投資に回すべきかどうか。
一般論としては、一度に全額を入れるのは避けたほうが無難です。入れた直後に相場が下がると、精神的なダメージが大きく、「もう二度とやらない」となりがちだからです。
入れるにしても、1〜2年かけて分割する。そして退職金の全額ではなく、当面使う予定のない部分だけにする。退職金は取り返しがきかないお金なので、ここは慎重すぎるくらいでちょうどいいと思います。
口座開設で、実際に止まるところ
意外なことに、多くの人が最初につまずくのは商品選びではなく口座開設の手続きです。
- マイナンバー確認書類の提出でつまずく
- 審査に数日〜2週間かかり、その間に熱が冷める
- NISA口座は1人1金融機関しか開けないため、どこにするかで悩んで止まる
- 口座はできたのに、積立の設定をしないまま放置してしまう
最後のパターンが一番多い気がします。口座を作ることと、積立を始めることは別の作業です。口座開設完了のメールが来たら、その日のうちに積立設定まで済ませてしまうことをおすすめします。
夫婦それぞれで口座を持つと何が変わるか
NISA口座は1人1口座です。夫婦それぞれが開設すれば、非課税で保有できる枠は2人分になります。
配偶者に収入がない場合でも、NISA口座自体は開設できます(生活費から積み立てる場合の贈与の扱いなど、気になる点があれば税務署や税理士に確認してください)。
〔体験談〕口座開設でつまずいたこと
私は、最初は楽天証券で口座を開きました。
楽天証券を選んだのは、推奨しているYouTube動画が多かったからです。実際に楽天証券は、サイトやアプリが見やすくて、大変使いやすくなっています。
積立ての設定などもカンタンに出来ました。
2021年から積立てを本格的に始めていますが、もっと早く始めていればよかったですね。
よくある質問
Q. iDeCoと新NISA、どちらを優先すべき?
50代の場合、まず新NISAからという考え方が分かりやすいです。iDeCoは掛金が全額所得控除になる強い節税メリットがある一方、原則60歳まで引き出せません。50代で初めた場合は、そこから10年以上経過していないと解約できません。50代は予期せぬ出費が起きやすい年代なので、いつでも引き出せる新NISAのほうが使い勝手がよい場面が多くなります。
もちろん、資金に余裕があり所得税率が高い方は、両方を使う選択もあります。
Q. 証券会社はどこがいい?
手数料を重視するならネット証券が有力です。私は楽天証券を使っていますが、これは私がそこを選んだというだけの話で、他社が劣るという意味ではありません。SBI証券なども含め、ご自身が使いやすいと感じるところで問題ありません。
迷って始められないくらいなら、どこでもいいので開いてしまうほうが得です。金融機関は、年単位にはなりますが変更もできます。
Q. 途中でやめたくなったら?
積立の停止も、売却も、いつでもできます。ペナルティはありません。ただ、「やめる」前に「積立額を減らす」という選択肢があることは知っておいてください。月5万円がきついなら1万円に落とす。ゼロにするより、細くても続けているほうが復帰しやすくなります。
Q. 60歳を過ぎても続けられる?
続けられます。新NISAは口座開設できる期間が恒久化され、非課税で保有できる期間も無期限になりました。年齢の上限もありません(18歳以上であれば開設可能)。70代で積み立てている方もいます。
まとめ:50代の新NISAは「積み方」より「続け方と降り方」
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。最後に要点をまとめます。
- 50代から始めても遅くない。運用期間は「退職まで」ではなく「使い終わるまで」で数える
- ただし20代と違い、取り返す時間が短い。だから大きく減らさず、続けられる設計にする
- 旧NISAを持っている人は、慌てて売らない。非課税期間は続いています(私はここで17年分を捨てました)
- 生活防衛資金を先に確保してから始める
- 下落は必ず来る。来る前に配分を決めておく
- 出口(取り崩し方)まで考えて初めて、計画になる
私は44歳で始めて、5年経ちました。途中で大きな勘違いもしました。それでも、始めなかった場合よりはずっといい場所にいると思っています。
もし今日、何か1つだけやるとしたら。すでに旧NISAをお持ちの方は、証券会社にログインして、保有商品の非課税期間がいつまでかを確認してください。これから始める方は、証券会社の口座開設ページを開いてみてください。
それだけで、今日は十分です。
※本記事は筆者個人の経験と、公開されている情報をもとに構成したものです。特定の金融商品の購入を推奨するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いいたします。制度の内容・数値は2026年9月時点のものであり、最新かつ正確な情報は金融庁および各証券会社の公式サイトでご確認ください。
